▼道具の詳細 |
群生している時に隣の竹と擦れ合ったのか皮肌に数か所のスレがあり、シミ竹の淡い色合いがとてもよく調和した、侘びた雰囲気の茶杓です。枝を落とした中節のすぐ上部に一段窪んだ短めの樋があり、櫂先にかけて浅くなりながら中央を走っています。櫂先は、鋭い折撓めで先端(露)がやや尖り、腰は直腰で、背筋のスッと伸びた謹直な雰囲気です。切止は四刀、さっぱりとしています。 筒は白竹で、「〆 竹茶杓 銘 常盤 花押」とあります。箱書付には同様に、宗完とあります。 常盤(ときわ・とこいわ) 常に変わらぬ岩が転じたもので、永久に続くこと。いつも青々とした緑の葉を付けている木を指す。 いつも変わらない姿を保つという、目出度い言葉。神が宿る木として松をさす場合が多い。 |
▼兼中斎について |
昭和~平成時代の茶人。表千家流堀内家十二世。 大正8年京都生まれ。名は吉彦、号を兼中斎、長生庵。父は十世不仙斎宗完。 京大理学部卒。兄十一世幽峰斎急逝の為、表千家即中斎のもとで修業し十二世を襲名した。 禅の境地と科学者としての思考が相まって独特の温厚な茶風で知られる。平成10年、分明斎が十三世を襲名するのに伴い宗心と称した。全国の茶道普及に大きく貢献した。 |
▼寸法 |
長182mm×最大幅10mm |
▼価格 |
65,000円[税込] |